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モーターサイクル•ダイアリーのハナシ

  • 執筆者の写真: AKEMI YOSHIDA
    AKEMI YOSHIDA
  • 2016年10月1日
  • 読了時間: 2分

最初の主人を亡くしてからガックリ気落ちしてしまい、何に対しても欲求が働かない時期があった。

何も欲しくないし、何もしたくない。

老舗和菓子屋の製造補助のバイトをしていた時、一回り以上年下の専務が、ハーレーのツインカムタイプを所有していた。

ある日、ハーレー•ショップに遊びに行かないかと言われ、ついて行った。

スポーツ•スターのパパサンに跨がってみないかと店のオネエさんに誘われ跨がったところ、オネエさんがエンジンのスターター•ボタンを押した。

「ズドンズドン!」脳天を突く衝撃で頭の中のモヤが一瞬に晴れ、視界がクリアになり我に返った気がした。

「これが欲しい!」と思った。

その週末には郊外のドライビング•スクールで実施されたハーレーの試乗会におもむき、そこで大型自動二輪受講の申し込み書にサインした。

和菓子屋の勤めが終わってから夜間に通い4回目の実地試験にパスし、スポーツ•スターの1200ccを買った。

カーブを曲がる時、オソロシクて車体をバンクできない、だの、視界の良い直線コースでも度胸が無くて80キロ以上出せない、だの、あとこれは冬場の遠乗りの帰りに判明したのだが極度の鳥目で、暗いと目が効かずビビリながら運転するので後ろに車の渋滞が出来てしまうという、どえらいヘナチョコ•ライダーぶりで、どこのツーリング•チームに参加しても鼻つまみ者、自損事故も何度もやった。

命も危ういが「ひとコケ○十万円」と言われるハーレーである。

これはやっていけない…と痛感し金策に困った挙げ句、手放した。

ヘナチョコなくせにドクロのダービー•カバーをつけていたっけ(アホである)

今でも思い出す。

真夏のドライビング•スクールで二輪車庫に貼ってあったハーレーのポスター。

〈PASSPORT TO FREEDOM〉と書いてあり、小さな男の子がオモチャの三輪車に跨がっている写真が可愛らしくもファンキーで、見とれたものだ。

エンジンの匂い、したたる汗、教官の怒号。

パスした時は嬉しかったなあ。

まあ、こんな手合いで別れを告げた二輪ライフだが、不向きを体感して諦めたので悔いは無い。

あのバイクはどこかで大事にしてもらっているだろうか。


 
 
 

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